背景
A社では、過去数年間不振が続く、食品から衣料、日用品まで取り揃えたGMS(ゼネラルマーチャンダイスストア)業態中心の経営から、好調である食品を主力としたSM(スーパーマーケット)業態中心の経営へ転換をはかろうと事業戦略を構築。従業員についても正社員採用を抑制し、パートタイマー中心の店舗運営への運営転換を目指した。ところが、ここ数年の労働市場の変化(有効求人倍率の上昇など)からパートタイマーが思うように採用できず、店舗での慢性的な人材不足と正社員が長時間労働により、疲弊する状況が続いていた。
実施したコンサルティング内容
- 人材構造分析
- 店舗人員配置基準の設定
- パートタイマー採用センター業務支援およびコンサルティングの実施
- パートタイマー人事制度構築(資格、報酬、評価、育成コミュニケーション)
- 正社員人事制度構築(資格、報酬、評価)
- 限定正社員人事制度構築
調査・分析
クライアントからのご相談に対し、最初に人事給与データおよび従業員インタビューの実施による人事面の定量・定性分析(人材構造分析)を実施した。客観的な分析結果から課題を抽出すると、
- 年功的な役職登用の実施で他社SMに比較して管理職の比率が高く、今後も上昇が見込まれる
- 報酬水準はSM業態とはギャップが大きい、かつ年功賃金となっている
- 賃金制度は全従業員が昇給する一方、より重責を担う人、高評価者に魅力が小さい体系
- パートタイマーについてシニア層で大部分が構成され、教育も現場任せ
- 従業員からも従来のGMSの組織体制・仕事のやり方が根強く残っている状況
戦略・施策設計 コンサルティング
分析結果をふまえ、まずSM業態における店舗運営に必要な人員体制をシミュレーションし、各店舗の部門ごとに何名の人員配置が必要なのかを人員配置基準として算出。各店舗においてあるべき人員体制は何名か、それに対して現状は何名の人員が不足しているのかを可視化した。
次に、正社員および契約社員の人事制度を「SM組織体制を支える」「役割・仕事重視の報酬」「全従業員にやりがいと働きがいを」をコンセプトに抜本的に再構築した。
更に店舗において新しく入社したパートタイマーの教育およびコミュニケーション体制を一から再構築。入社から仕事に慣れるまでの2ヶ月間の受入れプログラムを設計。また、パートタイマーがより活き活きと働ける環境を整備するため、パートタイマー向けの報酬・評価制度を新たに設計。「仕事を覚える」⇒「評価が上がる」⇒「時間給が上がる」⇒「よりレベルの高い仕事を教える」のサイクルを人事制度で整備し、入社したパートタイマーが売場の主力となるまでのステップアップを人事制度で仕組み化した。
また、店舗運営の生産性向上を目的とした専門組織を立ち上げ、店舗でのLSP(レイバースケジューリングプログラム)導入を、店舗の店長や主任、SVなどと協議をしながら実行を支援。
実務支援
今までは各店舗に任せきりであったパートタイマーの採用の応募者受付など採用オペレ―ション業務をベクトルの採用支援センターにアウトソーシング。これまで店長や採用担当者の不在時に応募があっても対応できないことにより発生していた機会ロスを採用センターの受付によりゼロ化。採用募集についても個店では対応できない近隣の店舗との合同の大規模な採用募集広告を実施する事により、応募者をセンター化前より倍増。採用人数増につなげた。また店長がパートタイマーの採用計画と育成計画を各部門の主任と共有できる仕組みを導入した。
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