(2017.8.28)居酒屋、救世主はベトナム人 勤勉・親日的で主力

居酒屋のアルバイトで、ベトナム人留学生が引っ張りだこだ。かつての主力、中国人留学生は仕送りが増え、居酒屋バイトには見向きもせず、従業員の過半がベトナム人という店も登場。人材としての魅力は真面目でコツコツ働くことに加え、独自のネットワークの強さから、1人が120人の友人知人を紹介するケースもある。慢性的な人手不足の居酒屋にとっては救世主になっている。

ベトナム協会(東京・港)の小川弘行常務理事は「現地ではマスメディアが発達していないため、人づての情報の影響力が強い」という。フェイスブックなどSNS(交流サイト)の利用も活発。鳥貴族はそんなベトナム人コミュニティーの中で評判が拡散しているようだ。「日本でバイトの相談をすれば、一度は鳥貴族を薦められるんじゃないかな」(22歳の女子学生)

 鳥貴族は2021年7月期に1000店舗に広げる目標を掲げており、人材確保は喫緊の課題だ。ベトナム人バイトが急増したことで、料理の手順を教える動画マニュアルなどでベトナム語版を用意した。「接客は日本語でやってもらうが、裏方の仕事マニュアルは今後、ベトナム語版を増やしたい」(中西秀仁営業開発部部長)という。

テンアライドでは年3回ほど、3校程度の日本語学校をまわってバイトの採用活動をしている。「(ベトナム人の)ネットワークは広く、比較的人材を確保しやすい」(人事部)とみる。知人の紹介による採用活動も行っており、1人の紹介で120人が応募してきたこともあったという。

(参考)日本経済新聞