ニュースリリース
2008年 02月 28日 (木) no.68
「ベクトル労務通信」をお届けいたします。
ベクトル労務通信:2008年3月号

企業で人事に関わる皆様は、賃金改定や新入社員の受け入れ準備などでお忙しくされていると思いますが、来る3月1日には新しい法律「労働契約法」が施行されます。以下では同法の概要と企業人事を行なう上での注意点についてご説明させて頂きます。

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           労働契約法の概要
        −平成20年3月1日施行−

労働契約法は、就業形態が多様化し個別の労働紛争が増加する中、判例法理において解決してきた事柄など、労働契約の基本的なルールを明確化し、事前の紛争防止や安定した労働関係を保つことを目的としています。
これにより、労働条件として締結する労働契約書や就業規則の重要性が更に高まり、労働契約の始期から終了にいたるまで、内容の明示・周知について徹底し、労使がお互いにルールに沿って誠実に履行することが求められています。

◆労働契約の基本ルール
(1)労使対等の立場にたった合意原則
(2)就業形態に応じた均衡考慮及び、仕事と生活のバランスへの配慮
(3)安全配慮
(4)権利濫用の禁止
 が定められています。就業形態が多様化する中、職務内容や労働時間が正社員と変わらないにもかかわらず、労働条件が低く抑えられているなどの問題に対し、4月1日から施行される、改正パートタイム労働法とあいまって、働き方に応じた処遇をするための整備がされています。

◆労働契約締結時
(1)労働契約の内容について労働者の理解促進を図る
(2)労働契約内容をできる限り書面で確認
 労働契約の締結・変更時には、契約内容について十分説明するほか、質問への誠実な対応が求められます。書面確認については、労基法上義務付けられている項目以外についても書面で確認するよう求めています。「できる限り」とあるように、労働条件のすべてを書面確認することを義務づけられるわけではありませんが、トラブル防止の趣旨を踏まえれば、書面での確認が重要であると考えます。
 
また、事業場に就業規則がある場合、就業規則の有効要件として
(1)合理的な内容の就業規則
(2)労働者に周知していた(いつでも見られる状態にしていた)
 ことが要件となっています。
これらへの対応として、就業規則は常に閲覧できる状態にし、改訂があった場合なども周知・徹底を図ることが重要です。
 
◆労働契約と就業規則の関係
(1)就業規則とは違う内容の個別労働契約を合意していた場合には、労働契約が有効。
(2)ただし、労働契約が就業規則を下回る場合は、就業規則の内容まで引きあがる。

◆労働契約の変更
(1)合意原則
(2)使用者の一方的な就業規則の不利益変更は不可
(3)例外として、不利益変更に合理性が認められる場合は変更後の就業規則が有効
  原則として、契約変更には当事者間の合意が必要です。就業規則の不利益変更が認められる場合の合理性の判断は、
@不利益の程度
A使用者側の変更の必要性
B変更後の就業規則の内容の相当性
C労働組合との交渉の状況
  などを総合的に勘案されます。就業規則の不利益変更は、秋北バス事件、第四銀行事件、みちのく銀行事件などの判例法理が明文化され、合理性が認められる場合には変更に反対する労働者に対しても包括して適用されます。

◆労働契約の終了等
解雇の権利濫用や、懲戒の権利濫用は無効であることが明文化され、不当な解雇や懲戒によるトラブルの発生を防止しています。また、出向命令についても合理性がない場合は権利濫用として無効となります。

◆有期労働契約
期間契約により働く従業員については、契約期間中はやむを得ない事由がある場合でなければ解雇できません。また、契約期間は必要以上に短くならないよう、安定して働けるような配慮が必要です。

社会保険労務士 片井晶子(潟xクトル非常勤取締役)

 

 

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